FP3級
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【FP3級】財産の評価について解説!

taku7983
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財産の評価について

相続や贈与によって取得した財産は原則として時価で評価します。取得した財産が上場株式であれば時価はすぐわかりますが、土地や建物の場合に時価をいくらにするかが問題となってきます。

取得する財産の評価で論点になるのは、宅地(土地)・家屋(建物)・上場株式・ゴルフ会員権・生命保険契約に関する権利・定期預金の評価になりますのでそれぞれ見ていきましょう。

宅地(土地)の評価

宅地の評価単位

宅地の価額は、1筆単位で評価するのではなく、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいいます。)ごとに評価します

なお、一筆の土地とは、登記簿謄本に記載された1つの土地のことで、1筆ごとに登記が行われ、地番がつけられることになっています。

宅地の評価方法

宅地の評価方法には路線価方式倍率方式があり、原則として路線図方式で評価しますが、路線価がない宅地は倍率方式で評価する。

  • 路線価方式
    • 路線価が定められている地域の評価方法
  • 倍率方式
    • 路線価が定められていない地域の評価方法で、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します

路線価方式

宅地が面する道路ごとに付された1㎡あたりの路線価に宅地の地積(面積)を乗じて、宅地の評価額を計算する方法です。

路線価の評価

宅地の評価額=路線価×地積

なお、路線価は公示価格(一般的な取引相場)の80%程度であると言われております。

ゆか
ゆか

倍率方式

倍率方式

宅地の評価額=固定資産税評価額×倍率

例えば、固定資産税評価額が100万円で倍率が1.1倍であれば、宅地の評価額は110万円になります。

宅地の種類

宅地には、自用地(じようち)・借地権(しゃくちけん)・貸宅地(かしたくち)・貸家建付地(かしやたてつけち)に分類して評価します。

自用地の評価(路線価方式)

概要

自用地の評価は、原則通り「宅地の評価額=路線価×地積」で計算します。

路線価は宅地に面している道路の価格ですが、宅地は必ずしも四角形の整形地かつ1面だけ路線価道路に面しているわけではないため、評価を下げる場合と上げる場合があります。

例えば、上記の土地であれば300,000円×100㎡=30,000,000円が自用地の評価であり、借地権の評価は80%を乗じた24,000,000円となります。

路線価を下げられる場合

路線価を下げる補正には以下の様なものがあります。

  • 奥行価格補正率:宅地が短すぎる長すぎる場合
  • 不整形地補正率:宅地が正方形ではない場合
  • 間口狭小補正率:宅地の入り口(間口)が狭い場合

路線価を上げる場合

  • 側方路線影響加算率:宅地が角地にある場合
  • 二方路線影響加算率:宅地が2つの路線価道路に面している場合

例えば、100㎡の宅地で路線価10万円・奥行価格補正率0.98である場合の宅地の評価は、
路線価98,000円(10万円×0.98)×地積100㎡=9,800,000円となります。

借地権の評価

借地権の評価

借地権の評価額=自用地の評価×借地権割合

貸宅地の評価

貸宅地の評価

貸宅地の評価=自用地の評価×(1-借地権割合)

「貸宅地」とは、他人が家などを建てて使用することを目的として、他人に貸している自分の土地のことです。

例えば、AさんがBさんに貸している宅地の自用地評価が1,000万円、借地権の評価700万円、貸宅地の評価300万円であり、AさんBさんが共に亡くなった場合に、

Aさんの相続人は貸宅地300万円を相続、Bさんの相続人は借地権700万円を相続したことになります。

貸家建付地の評価

貸家建付地の評価

貸家建付地の評価=自用地の評価×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

「貸宅地」とは、他人が家などを建てて使用することを目的として、他人に貸している自分の土地のことです。 一方、「貸家建付地」とは、自分が賃貸マンション、アパートなどを建てて、その居室を他人に貸している自分の土地のことです。

小規模宅地等の課税価格の計算の特例

小規模宅地の特例は、高額な税負担により自宅を手放さなければならない事態を考慮しており、配偶者など残された家族が自宅に住み続けられるよう創設された制度です。

区分限度面積減額割合
居住用特定居住用宅地330㎡80%
事業用特定事業用宅地400㎡80%
貸付事業用宅地200㎡50%
  • 特定居住用宅地:配偶者や同居親族が住み続ける場合に適用可能
  • 特定事業用宅地:被相続人が事業を行っていた宅地等
  • 貸付事業用宅地:被相続人が不動産貸付・駐車場業を行っていた宅地等

この特例を利用して相続税額が0円であったとしても相続税の申告書の提出は必要です。また、特定居住用宅地と特定事業用宅地を併用する場合は合計730㎡まで適用可能です。

実務で1番相続税を下げることができる特例です。ぜひ、この制度は試験に関係なく、覚えておきましょう

ゆか
ゆか
〇×問題

相続時の宅地の評価単位は1筆単位である。

Q
答え

×:宅地の価額は、1筆単位で評価するのではなく、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいいます。)ごとに評価します。

〇×問題

宅地の評価方法は路線価方式又は倍率方式のいずれかを選択して評価する。

Q
答え

×:原則として路線図方式で評価しますが、路線価がない宅地は倍率方式で評価します。

〇×問題

相続財産の評価で、貸家の敷地の用に供されている宅地(貸家建付地)の価額は「自用地としての評価額×(1-借地権割合)」の算式により評価する。

Q
答え

×:貸家建付地の評価=自用地の評価×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

〇×問題

宅地が「小規模宅地等の特例」における特定居住用宅地等に該当する場合、宅地のうち400㎡までを限度面積として、評価額の80%相当額を減額した金額を、相続税の課税価格に算入すべき金額とすることができる。

Q
答え

×:特定居住用宅地等の限度面積は330㎡、減額割合は80%である。

〇×問題

相続財産の小規模宅地等の特例を利用して相続税額が0円であったとしても相続税の申告書の提出は必要である。

Q
答え

その他の資産の評価

宅地(土地)以外の評価はシンプルです。

家屋(建物)の評価

  • 自用家屋の評価額=固定資産税評価額
  • 貸家の評価額 =固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

上場株式の評価

上場株式は以下のもっとも低い金額で評価します。

  1. 課税時期の最終価格(相続または遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)
  2. 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
  3. 課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
  4. 課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額

取引相場のない株式の評価(非上場株式)

非上場株式の評価方法は以下の3つあります。

(原則)類似業種比準方式

類似業種比準方式とは、類似業種の株価を使用して、評価する会社の1株当たりの「配当金額」、「利益金額」および「純資産価額(簿価)」の3つの要素を加味して評価する方法

(原則)純資産価額方式

会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、相続税評価額の純資産を算出し、1株当たりの評価額を算定する方法

(特例)配当還元方式

直近2期間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して元本である株式の価額を評価する方法

ゴルフ会員権の評価

評価額=通常の取引価額×70%

生命保険契約に関する権利の評価

評価額=解約返戻金相当額

解約返戻金(かいやくへんれいきん)とは、仮に現時点で保険契約を解約した際に払い戻されるお金です。

定期預金の評価

評価額=預金残高+(既経過利息-源泉徴収税額)

なお、通常の預貯金は、預入残高(通帳残高)で評価します。

〇×問題

相続財産のうち上場株式の評価は、被相続人の死亡日の最終価格又はその月から前々月まで各月の最終価格の月平均額のうち、もっとも高い金額で評価する。

Q
答え

×:上場株式は、問題文の時期のうち、もっとも低い金額で評価します。

〇×問題

相続財産で非上場株式は、原則的には類似業種比準方式又は配当還元方式で評価する。

Q
答え

×:原則的評価方法は、類似業種比準方式又は純資産価額方式であり、配当還元方式は特例的な評価方法です。

〇×問題

相続開始時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の評価は解約返戻金相当額で評価する。

Q
答え

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FP3級の勉強をはじめたことでお金に対する意識が変化。お休みの日はカフェ巡りが趣味♪
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