【FP3級】経済指標について
経済の基本
経済とは、ヒト、モノ、カネ、情報が生産され、取引され、消費され、さらにはそれを繰り返す関係のことをいいます。私たちの生活がどのような仕組みで成り立っているのかを、経済を通じて社会全体が形づくられていく過程を踏まえながら学んでいくのが経済学です。
経済の良し悪しを見るために指標があります。主要な指標について見ていきましょう。
国内総生産(GDP)
国内総生産(GDP)とは
国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)とは、国内で生産された物やサービスの付加価値の合計です。内閣府が年4回発表します。
三面等価の原則とは
三面等価の原則とは、GDPを生産、支出、分配のいずれの面から算出しても同じ値になるという経済学上の原則です。生産=支出=分配。
- 答え
-
×:国内の経済活動によって新たに生み出された財・サービスの付加価値の合計です。
経済成長率
経済成長率とは、国の経済規模の1年間の成長率です。一般的にGDP(実質GDP)の伸び率を指します。なお、実質GDPとは名目GDPから物価変動の影響を除いたものです。
- 答え
-
〇
景気動向指標
景気動向指標とは
景気動向指標とは、景気全体の現状を知ったり、将来の動向を予測したりするときに使われる経済指標です。景気動向指標は内閣府が毎月発表し、景気に先行して動く先行指数、ほぼ一致して動く一致指数、遅れて動く遅行指数があります。
なお、景気動向の判断は一致指数を使用します。
先行指数 | |
新規求人数 | 求人が増える→のち景気がよくなる |
新設住宅着工床面積 | 新設住宅が増える→のち景気がよくなる |
実質機械受注 | 製品をたくさん作る→機械受注が増える→のち景気がよくなる |
一致指数 | |
有効求人倍率 | 現在の求職者1人あたりの求人数→現在の景気がわかる |
鉱工業生産指数 | 現在生産している数→現在の景気がわかる |
遅行指数 | |
法人税収入 | 気がよくなる→ものが売れ企業の収益が増える→法人税が増える |
完全失業率 | 景気がよくなる→企業が人を雇う→失業率が減る |
家計消費支出 | 景気がよくなる→給料が増える→消費者がものを買うので家計消費が増える |
- 答え
-
〇:景気動向指数は、景気に連動する様々な指標を合わせて景気の状況を見極める指標です。
CIとDIとは
景気動向指標には、CI:コンポジット・インデックスとDI:ディフュージョン・インデックスの2つがあります。現在はCIが中心に発表されてます。
- CI:構成する指標の動きを合成することで景気変動の大きさやテンポを測定
- DI:構成する指標のうち、改善している指標の割合を算出することで景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定
- 答え
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〇:なお、DIは景気の転換点の判断に利用されます。
日銀短観(企業短期経済観測調査)
日銀短観とは、日本銀行が年4回(3、6、9、12月)、景気の現状と先行きについて企業に直接アンケート調査をし、その集計結果や分析結果をもとに日本の経済を観測するもので、正式には「企業短期経済観測調査」といいます。特に注目されるのが業況判断DIです。
業況判断DIは「景気が良い」と感じている企業の割合から、「景気が悪い」と感じている企業の割合を引いたものです。 DIの数値は50が横ばいを表し、これを上回ると「景気が良い」、下回ると「景気が悪い」と感じる企業が多いことを示します。
マネーストック統計
マネーストック統計とは、金融機関から経済全般へ供給されている通貨の総量(預金などを含む)を示す統計のことです。マネーストック統計は日本銀行が毎月発表しています。
物価指数
全国の世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するものです。物価指数には、企業物価指数と消費者物価指数があります。
- 企業物価指数
- 企業間で取引される商品の価格変動を示す指標
- 日本銀行が毎月発表
- 原油価格や為替相場の変動影響を受けるため、消費者物価指数より変動が激しい
- 消費者物価指数
- 一般消費者が購入する商品やサービスの価格変動を表す指標
- 総務省が毎月発表
指標のまとめ
経済指標 | 管轄 | 頻度 |
---|---|---|
国内総生産(GDP) | 内閣府 | 年4回 |
景気動向指標 | 内閣府 | 毎月 |
日銀短観 | 日本銀行 | 年4回 |
マネーストック統計 | 日本銀行 | 毎月 |
物価指数(企業物価指数) | 日本銀行 | 毎月 |
物価指数(消費者物価指数) | 総務省 | 毎月 |