【FP3級】保険契約後の見直しについて解説
保険契約を継続させるための制度
保険契約は長い期間となるため、諸々の事情の変化があり、保険料の払い込みが困難となっても契約者を保護して、契約を継続させるためにいくつか制度があります。
自動振替貸付制度と契約者貸付制度について
解約返戻金がある保険であれば、保険料の払込みが困難になった時に、自動振替貸付制度と契約者貸付制度があります。
自動振替貸付制度 | 解約払戻金の範囲内で、保険料を自動的に生命保険会社が立て替え、契約を有効に継続させる制度です。 |
契約者貸付制度 | 契約者貸付とは、保険期間中に一時的に資金が必要な場合、解約返戻金の一定範囲内で保険会社が契約者に貸付けをする制度です。 |
払済保険と延長保険
人生の思わぬトラブル等によって、保険料の払込みが困難になったら、どうしたらよいのでしょうか。保険を解約することも1つの手段です。ただ、解約すると万が一のときの保障がまったく無くなってしまいます。そこで、「保険料は払えないが保障は継続したい」場合の制度を見ていきましょう。
払済保険とは
払済保険とは、保険料の払い込みを中止して、その時の解約返戻金をもとに保険期間を変えずに前の保険契約より補償額の少ない同種類の保険または養老保険に変更することをいいます。
延長保険とは
延長保険とは、保険料の払い込みを中止して、その時の解約返戻金をもとに保険金額を変えずに一時払いの定期保険に変更することをいいます。
払済保険と延長保険
払済保険 | 延長保険 | |
---|---|---|
保険金額 | 少なくなる | 変わらない |
保険期間 | 変わらない | 短くなる |
特約部分 | 消滅する |
- 答え
-
×:延長保険とした場合は、保険金額は元の契約と変わらないが、保険期間は元の契約より短くなる。
契約の見直し
契約転換制度とは
契約転換制度とは、現在加入している保険を辞めて、新しい保険に加入することをいいます。保険の下取りのイメージです。先ほどの払済保険や延長保険は同じ契約に関する制度であったのに対し、契約転換制度とは契約自体を変える制度です。転換の際には以下がポイントです。
- 同じ保険会社でなければ利用できない
- 告知または医師による診察が必要
- 保険料は転換時の年齢、保険料率によって計算される
現実問題として、予定利率が下がるケースが多く(バブル期の高い利率は保険会社にとってはコスト増)、トラブルになることもあるため、実際に転換を行う際には慎重な検討が必要です
増額・減額
加入している生命保険の契約内容は変更せずに、主契約や特約の保険金額を増額したり減額することができます。なお、増額や付け加えた特約の保険料は、契約時点の年齢や保険料率によって計算されて決まります。