【FP3級】不動産-宅建業と不動産契約
不動産の売買
不動産の売買には大きな金額が動きます。そのため、取引当事者を保護するために、宅地建物取引業法があります。
宅地建物取引業法
宅地建物取引業法とは
宅地建物取引業法とは、宅地建物取引業を営む者(宅建士)について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地および建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もって購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的にする法律です。
宅地建物取引業とは、(1)自ら宅地及び建物を売買・交換、(2)売買・交換・貸借の仲介又は代理を行うことを業とするものです。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、宅建士とも呼ばれ、国家資格であり、不動産取引のプロフェッショナルとして実務要件等の要件を満たして都道府県知事から資格登録を受けます。
宅建業を行う事務所には従業員5人に対して1人以上の宅建士を置くことが義務付けられています。
媒介契約
媒介契約(ばいかい)とは、家を売る時、不動産会社に間に入ってもらい、買主を探してもらうために結ぶ契約のことを言います。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。
項目 | 一般媒介 契約 | 専任媒介 契約 | 専属専任 媒介契約 | |
---|---|---|---|---|
依頼主側 | 同時に複数業者 に依頼*1 | 〇 | × | × |
自己発見取引*2 | 〇 | 〇 | × | |
業者側 | 依頼主への 報告義務 | なし | 2週間に 1回以上 | 1週間に 1回以上 |
指定流通機構への 物件登録義務 | なし | 契約日から 7日以内 | 契約日から 5日以内 | |
契約の有効期間 | 規制なし | 3か月以内 | 3か月以内 |
*2:自分で買主を見つけること
宅地建物取引業者の報酬限度
宅地建物取引業者の報酬には限度額が定められております。
売買の金額 | 報酬限度額 | |
---|---|---|
200万円以下 | 売買金額×5% | |
200万円超 | 400万円以下 | 売買金額×4%+2万円 |
400万円超 | 売買金額×3%+6万円 |
重要事項の説明
不動産売買では、不動産会社が重要事項説明を買主に対して契約前に行う義務があります。重要事項には、土砂災害警戒区域であるか、飲用水・電気・ガスの供給・排水施設の整備状況などが記載されます。
なお、重要事項の説明は、宅地建物取引士である者が宅地建物取引士証を提示して行わなければなりません。
- 答え
-
×:同時に複数業者に依頼することは一般媒介契約しかできません。
- 答え
-
〇
不動産の売買契約に関する事項
手付金
手付金とは、売買契約時に買主が売主に支払うお金であり、いったん締結した契約を、理由のいかんにかかわらず、後で解除することができる手付を解約手付といいます。
一度、締結した契約を買主側から解約したい場合は、買主は渡した手付金を放棄することになり、売主側から解除したい場合には、売主は買主に手付金の2倍の金額を支払う必要があります。
なお、宅建業者が自ら売主として業を行う場合、買主を保護するために、手付金は代金の20%が上限となり、それ以上は受領できません。
危険負担
危険負担とは、住宅の売買契約が成立した後に、天変地異や周辺火災など売主の責めに帰することができない理由で建物が滅失・毀損(きそん)してしまい、引き渡しができなくなった場合、その損害を当事者のどちらが負担するか、という問題のことをいいます。仮に、火事が発生し、売主及び買主のお互いに責任がない場合は、買主に代金支払い義務は残りますが、買主は代金支払いの履行を拒むことができます(履行拒絶権)。
担保責任
担保責任とは、目的物が契約不適合であった場合に、売主が負わなければならない責任のことです。
- 売主の担保責任(買主が売主に請求できる権利)
- 履行の追完請求(契約に適合した履行を求める権利(壁紙を契約通りにしなさい))
- 代金減額請求
- 損害賠償請求
- 契約の解除
例えば、売主が水漏れがあることを知っていて、建物を売却したり、壁に穴が開いていたなど。
買主は不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと、原則として、担保責任を追及することはできなくなります。民法上の特約により、売主の担保責任を免除したりすることはできますが、売主が責任を知りながら買主に告げなかったときは、責任は免れることはできません。
住宅の品質確保の促進等に関する法律
住宅の品質確保の促進等に関する法律とは、住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人および新築住宅の売主に対して、住宅の一定部位について10年間の瑕疵担保責任を義務付けることにより、住宅の品質確保をめざす法律です。
壁芯面積と内法面積
壁芯面積(へきしんめんせき)とは、建物の床面積を計算する方法のひとつで、壁や柱の厚みの中心線に囲まれた部分で測られた建物の面積のことで、壁や柱の厚みの半分が床面積に含まれます。
内法面積(うちのりめんせき)とは、建物の床面積を計算する際に、壁の内側の部分の寸法で求められた面積であり、壁や柱の厚みは面積に含まれません。
- 壁芯面積>内法面積
- 建築基準法の床面積は壁芯面積を指します
- 登記簿上は一戸建ては壁芯面積、マンションの所有権は内法面積が用いられます
- 答え
-
〇
- 答え
-
×:宅建業者が自ら売主として業を行う場合、買主を保護するために、手付金は代金の20%が上限です。
- 答え
-
〇